専門大学(読み)せんもんだいがく

大学事典 「専門大学」の解説

専門大学[独]
せんもんだいがく

ドイツの高等教育機関の一種。歴史的には,1968年10月31日の各州首相の協定により,それまで後期中等教育機関に位置づけられていた技術者学校等が高等教育機関に格上げされるかたちで成立した。応用志向の実践的な教育・研究が重視され,実習課程の一部となっていることが特徴である。入学するには,専門上級学校を修了して得られる専門大学入学資格(ドイツ)(Fachhochschulreife)が必要であり,一般大学入学資格(アビトゥーア)は必要とされない。農学・林学・栄養学,工学,経済学,社会福祉,情報学・数学,自然科学,芸術・デザイン,情報・コミュニケーション科学,健康・保健などの分野が提供されている。修業年限は各専門大学の試験規程に定められており,専攻により異なる。一部の専門大学には,バチェラー(学士)とマスター(修士)の課程が設置されている。専門大学は216校,連邦と州の公務員の養成を行う行政専門大学(Verwaltungsfachhochschule)が30校,計246校設置されている(2016/17年度)。設置者別にみると,およそ50%が非公立の機関である。
著者: 長島啓記

出典 平凡社「大学事典」大学事典について 情報