寺江山荘(読み)てらえさんそう

日本歴史地名大系 「寺江山荘」の解説

寺江山荘
てらえさんそう

平安時代末期に神崎かんざき河口河尻かわじりにあった別荘平氏と緊密な関係にあった藤原邦綱の別荘で「寺江亭」ともよばれる。よど川と結ばれている神崎川の河口に立地していたため、京都と西国を往来する貴族らが立寄った。「山槐記」治承三年(一一七九)三月三〇日条に、皇嘉門院聖子が摂津天王寺に参詣し、そののち「邦綱河尻寺江山庄」を訪れる予定であるとみえる。実際には皇嘉門院は三〇日夜に出発し、一日の暁に参詣、同日夜に当山荘に宿泊し、二日に再びここから天王寺に参詣したのち、三日の明け方寺江に戻っている(「玉葉」同年四月一・二・三日条)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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