寒山拾得図(読み)かんざんじっとくず

精選版 日本国語大辞典 「寒山拾得図」の意味・読み・例文・類語

かんざんじっとく‐ず ‥ヅ【寒山拾得図】

〘名〙 寒山拾得超俗の姿を主題とした絵。鎌倉時代以降、多く画家が描く。因陀羅(いんだら)筆の紙本墨画は楚石梵琦(そせきぼんき)(=元代の禅僧)の賛をもち国宝

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山川 日本史小辞典 改訂新版 「寒山拾得図」の解説

寒山拾得図
かんざんじっとくず

中国の伝説的な詩僧,寒山と拾得を描いた図。禅僧たちによって盛んに描かれた。通常,箒や筆・硯・巻物をもつ弊衣蓬髪(へいいほうはつ)の人物2人の談笑するさまが描かれる。中国の宋代に始まり,日本では鎌倉時代末頃から描かれたらしい。禅余(ぜんよ)画系の素朴な表情図像ほかに,顔輝(がんき)系の奇怪な笑みをうかべる図像も伝わり,多くの遺品がある。

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