富来八幡神社(読み)とぎはちまんじんじや

日本歴史地名大系 「富来八幡神社」の解説

富来八幡神社
とぎはちまんじんじや

[現在地名]富来町八幡

八幡やわたの集落中央部に鎮座祭神は誉田別命・仲哀天皇・息長帯姫命。旧郷社。勧請は天平勝宝年間(七四九―七五七)というが詳細は不明(三州寺号帳)八幡宮縁起・八幡宮伝記(ともに曾原文書)では建保五年(一二一七)八月一日、鎌倉鶴岡八幡宮の神が盤石に乗って富来の浜に漂着したと伝える。近接する高爪たかつめ神社所蔵の建治元年(一二七五)の木版彩画懸仏のうちに八幡大菩薩の本地仏があるのは、すでに富来院に八幡宮が勧請されていたことを示すものとも考えられる。元亀三年(一五七二)三月鋳造の梵鐘(亡失)銘に「能州富来八幡山」とあり(日本古鐘名集成)、松葉肥前守藤原忠久が本願主となり、嶽栄上座と実菴寿貞大姉の菩提を弔うために寄進したものであった。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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