室に入りて戈を操る(読み)しつにいりてほこをあやつる

精選版 日本国語大辞典 「室に入りて戈を操る」の意味・読み・例文・類語

しつ【室】 に 入(い)りて戈(ほこ)を操(あやつ)

(中国、後漢時代の学者何休が、春秋三伝のうち、「公羊伝」の優位性を説き、他の二伝を非難するために、「公羊墨守」「左氏膏肓」「穀梁癈疾」の三著を書いたところ、鄭玄がただちに「発墨守」「鍼膏肓」「起癈疾」を著わして反駁したので、何休が、「康成(鄭玄)は、私の室に入り、私の矛を取って、私を伐つのか」と慨嘆したという「後漢書‐鄭玄伝」の故事から) 他人の部屋の中に入りこんで、そこの主人の持ち物の戈をとって乱暴を働く。転じて、相手の主張する意見や得意とするところを逆用して、これを攻撃する、また、師の道をもって、師を害するようなことのたとえ。
童子問(1707)中「若及少有青藍之誉、則有室操戈之意者、真小人哉」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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