官業労働総同盟(読み)かんぎょうろうどうそうどうめい

日本大百科全書(ニッポニカ) 「官業労働総同盟」の意味・わかりやすい解説

官業労働総同盟
かんぎょうろうどうそうどうめい

大正~昭和時代の陸軍工廠(こうしょう)を中心とする官業労働者の労働組合。公営事業労働者が一部加入。1921年(大正10)3月10日、軍縮による失業不安を契機として、大阪砲兵工廠の向上会、東京砲兵工廠の小石川労働会、八幡(やはた)製鉄所の八幡同志会、東京市電の交通労働組合によって結成された。官公業労働者の地位の改善を目標に掲げ、しだいに名古屋、小倉(こくら)の陸軍工廠組合や全日本煙草(たばこ)労働組合などを加え、最盛時一万数千人の組合員を擁した。委員長西浦宇吉(うきち)、主事川村保太郎(やすたろう)。総同盟系として日本労働倶楽部(くらぶ)、日本労働組合会議に参加したが、1936年(昭和11)粛軍口実陸軍省が工廠労働者の組合加入を禁止したため大打撃を受け、翌年12月に崩壊した。

[吉見義明]

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