安芸守定(読み)あきもりさだ

改訂新版 世界大百科事典 「安芸守定」の意味・わかりやすい解説

安芸守定 (あきもりさだ)

14世紀の医師。安芸平氏の出。室町幕府お抱えの日本最初の女科(産科)専門医とされ,1358年(正平13・延文3)に2代将軍足利義詮(よしあきら)の室,紀良子出産(子はのちの3代将軍義満)に当たり産事の功により尚薬にあげられ,嘉慶年間(1387-89)従四位上に叙し大膳亮に任ぜられた。安芸家は代々足利将軍家の産事をつかさどり,その記録として《御産所日記》が知られる。守定の薬としては,竜神伝説にまつわる産前産後薬,神仙散がある。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「安芸守定」の解説

安芸守定 あき-もりさだ

?-? 南北朝時代の医師。
延文3=正平(しょうへい)13年(1358)2代将軍足利義詮(よしあきら)の室紀良子(きの-よしこ)のお産に立ちあい,無事男子(のちの3代将軍義満)を出産させる。その功により尚薬(くすりのかみ)となり,嘉慶(かきょう)年間に大膳亮(だいぜんのすけ)に任ぜられた。婦人科医の祖とされる。子孫は代々足利家の産事をつかさどった。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

今日のキーワード

排外主義

外国人や外国の思想・文物・生活様式などを嫌ってしりぞけようとする考え方や立場。[類語]排他的・閉鎖的・人種主義・レイシズム・自己中・排斥・不寛容・村八分・擯斥ひんせき・疎外・爪弾き・指弾・排撃・仲間外...

排外主義の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android