安良見村(読み)あらみむら

日本歴史地名大系 「安良見村」の解説

安良見村
あらみむら

[現在地名]粉河荒見あらみ

紀ノ川の南、竜門りゆうもん山の東山麓に位置し、北は紀ノ川を挟んで粉河・井田いだ東野ひがしの各村や池田垣内いけだかいと(現那賀町)に、東は西脇にしわき(現那賀町)、西は杉原すいばら村に接する。「続風土記」は「名義詳ならす、安良見古記に皆荒見と書す、高野山所蔵弘安八年の文書に荒見荘とあり古聖護院の領といふ、当村をいふなるへし、村居山足に沿ひて三所に分る、西にあるを西安良見といひ、中にあるを中筋といひ、東にあるを東安良見といふ」と記す。なお天保郷帳は「安良美村」と記す。中世は粉河寺領とされ、村内は東西に分れていた。正平一三年(一三五八)一二月付の安良見村百姓等重訴状案(王子神社文書)には「東安良美・西安良見」とみえる。

天正二〇年(一五九二)八月四日付の豊臣秀吉朱印状(続宝簡集)に「四百六拾石 荒見」とある。以後近世を通じて高野山領とされ、学侶方一四ヵ院の知行地とされた。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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