宇智郡(読み)うちぐん

日本歴史地名大系 「宇智郡」の解説

宇智郡
うちぐん

五條市のほぼ全域を占めた郡。「続日本紀」文武天皇二年二月五日条に「車駕幸宇智郡」、大宝二年(七〇二)六月六日条に「復大倭国吉野宇知二郡百姓」、和銅七年(七一四)一一月四日条に「大倭国(中略)有智郡女曰比信紗」、和銅二年の弘福寺田畠流記帳(円満寺文書)に「大倭国(中略)内郡二見村陸田陸段」とあるなどさまざまな表記がみられるが、天平二年(七三〇)の大倭国正税帳(正倉院文書)に「宇智郡」とあるので、宇智が公式表記と考えられる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報