宇宙ヨット(読み)ウチュウヨット

デジタル大辞泉 「宇宙ヨット」の意味・読み・例文・類語

うちゅう‐ヨット〔ウチウ‐〕【宇宙ヨット】

太陽帆船

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「宇宙ヨット」の意味・わかりやすい解説

宇宙ヨット
うちゅうよっと

ロケットのように推進剤を放出して、その反動で推進するのではなく、光やイオンなどが薄膜で反射するときに生じる圧力で推進する宇宙機。スクリューで推進する船に対して、風を帆に受けて推進するヨットと類似していることから宇宙ヨットとよばれる。宇宙帆船ともいう。推進剤を搭載する必要がなく、外からの光やイオンなどを薄膜に受けて継続的に加速できるのが利点で、宇宙機の軽量化に適している。また、推進源として外からレーザーなどの強力な光を薄膜に照射する方法も検討されている。

 惑星間または恒星間の宇宙航行手段として研究されており、宇宙航空研究開発機構(JAXA(ジャクサ))が2010年(平成22)6月に行った実証機IKAROS(イカロス)での、太陽光によるソーラー電力セイル加速実験が世界初の成功例である。2015年5月には、アメリカの惑星協会が開発している「ライトセイル1号LightSail1」が打ち上げられ、セイルの展開が成功した後、大気圏に再突入している。

[山本将史 2021年7月16日]


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