孫綽(読み)そんしゃく(英語表記)Sun Chuo

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「孫綽」の意味・わかりやすい解説

孫綽
そんしゃく
Sun Chuo

[生]建興2(314)
[没]咸安1(371)
中国,六朝時代の東晋文学者。太原中都 (山西省) の人。字,興公。官は廷尉卿から著作郎に進んだ。文才をもって当時名が高く,特にその『天台山賦』は,魏,晋時代の代表的辞賦として名高い。また好んで老荘気風を説く「玄言詩」をつくった。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の孫綽の言及

【玄学】より

…その結果,儒家の古典である《論語》や《周易》にたいして,老子流の解釈がほどこされるとともに,儒家の聖人が〈無〉の体得者である道家的聖人として,あらたな意味づけをあたえられた。とくに王弼は,聖人を〈無〉を体得しながら,しかも喜怒哀楽の情によって万物に感応するものと考えたが,これは東晋の孫綽(そんしやく)の〈喩道論〉が,仏は道を体得しながらしかも衆生に感応して教え導くもの,と説くことにそのまま通じ,玄学的理解は,儒家と道家の一致だけではなく,儒仏道三教一致論の理論的基礎をも用意したといえる。何晏や王弼の学風は,かれらが正始時代(240‐248)に活躍したところから〈正始の音〉とか〈正始の風〉とかよばれて後世の清談家たちから慕われたが,その一方,西晋の裴頠(はいき)の〈崇有論〉や東晋の王坦之の〈廃荘論〉はかれらの哲学的立場を批判し,また東晋の范寧(はんねい)の〈王弼何晏論〉は,仁義礼楽の破壊者として2人の罪をそしった。…

※「孫綽」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android