威・縅(読み)おどし

精選版 日本国語大辞典 「威・縅」の意味・読み・例文・類語

おどし をどし【威・縅】

〘名〙 (動詞「おどす(威・縅)」の連用形の名詞化。「緒通し」の意) 鎧の札(さね)を糸や皮でつづること。また、そのもの。その威しつづった配列状態が毛を伏せたようなので威毛(おどしげ)、また、毛(け)ともいう。材料によって、糸威革威綾威、練貫(ねりぬき)威などがあり、つづり方によって荒目、毛引、素懸(すがけ)、敷目などといい、色によっては緋威小桜威、黒革威、卯の花威の一色や色まぜによる紫裾濃(すそご)威、萌葱匂(もえぎにおい)威などがある。貫緒(ぬきお)。貫(あみつら)
保元(1220頃か)中「黒皮縅の鎧に、同じ毛の五枚冑を猪頸に着」

おど・す をどす【威・縅】

〘他サ五(四)〙 (「緒(お)を通す」の意) 鎧(よろい)の札(さね)を糸、革、または布帛の緒でつづりあわせる。
※保元(1220頃か)上「膝丸と申は、牛千頭が膝の皮を取りおどしたりければ、牛の精や入たりけん

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

今日のキーワード

自動車税・軽自動車税

自動車税は自動車(軽自動車税の対象となる軽自動車等および固定資産税の対象となる大型特殊自動車を除く)の所有者に対し都道府県が課する税であり、軽自動車税は軽自動車等(原動機付自転車、軽自動車、小型特殊自...

自動車税・軽自動車税の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android