妙泉寺村(読み)みようせんじむら

日本歴史地名大系 「妙泉寺村」の解説

妙泉寺村
みようせんじむら

[現在地名]遠野市附馬牛町上附馬牛つきもうしちようかみつきもうし

薬師やくし(一六四四・九メートル)の南麓、さるいし川上流域に位置し、村内でたき川が同川に合流する。集落は河岸段丘の崖端にある。薬師岳は薬草が多く繁殖し、中腹に猿ヶ石川に注ぐ又一またいち滝があり、宥永ゆうえい滝ともよばれる。斉衡年中(八五四―八五七)円仁が早池峰はやちね山の宮寺として妙泉寺を建立、早池峰山頂の霊泉により妙泉寺と号したと伝える。村名はこれに由来し、当村は古くから早池峰山の神事に従事したという(奥々風土記)。寛永四年(一六二七)の南部利直知行宛行状(三翁昔語)によれば、妙泉寺の高一六八石余が八戸弥六郎直義(遠野南部氏)知行地となった。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報