奥村廃寺(読み)おくむらはいじ

日本歴史地名大系 「奥村廃寺」の解説

奥村廃寺
おくむらはいじ

[現在地名]龍野市神岡町奥村

愛宕あたご山南麓の標高三九メートル前後の台地上に立地する。白鳳期に創建され、平安時代初期に廃絶したと考えられる寺院跡。北東約七キロにある上横内かみよこうち遺跡では奈良・平安時代の掘立柱建物群の遺構が発見されており、当廃寺との関連が考えられる。昭和五五年(一九八〇)に発見され、四次の発掘が行われ、昭和六一―六二年の調査が最も広範囲に実施された。古くから知られている他の多くの寺院跡と異なり、これまでに古瓦などの採集もなかった。確認された遺構は南限および東限の溝状遺構、県道新宮しんぐう追分おいわけ線の北(F―12)に位置する地点から建物跡、さらに北部の荒神社境内地からの礎石建物跡、E―9地点周辺の焼土壙、F―10地点の礎石、道路遺構とみられる土層と溝がある。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

今日のキーワード

発見学習

発見という行為の習得を目指す学習。または,発見という行為を通じて学習内容を習得することを目指す学習。発見学習への着想は多くの教育理論に認められるが,一般には,ジェローム・S.ブルーナーが『教育の過程』...

発見学習の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android