奥小路町(読み)おくしようじまち

日本歴史地名大系 「奥小路町」の解説

奥小路町
おくしようじまち

[現在地名]博多区奈良屋町ならやまち

古渓こけい町の東に延びる両側町。東は廿家にじゆうえ町、町の中ほどから浜側に萱堂かやのどう町が延びる(福岡博多近隣古図)。元禄三年(一六九〇)の家数九(続風土記)。明和三年(一七六六)の家数二四・間数六三間余(石城志)。慶応二年(一八六六)の家数二六(博多店運上帳)。「続風土記」では西町流の奥小路とは別に「奥小路東」(家数一三軒)が呉服町流一一町の一町としてあげられている。同様に「筑陽記」は「奥小路西」を西町流一二町の一町、「奥小路東」を呉服町流一一町の一町としている。「続風土記附録」では「奥小路町東」は呉服町流から除くとしており、西町流の奥小路町に属したと考えられる。なお「津要録」享保元年(一七一六)条に「奥小路町西」がみえる。町名の由来について地誌類に伝えるところはないが、鶴田家系図(鶴田家文書)によると、天正一五年(一五八七)豊臣秀吉の博多再興のとき鶴田宗悦が「奥小路南側」に宅地を与えられたという。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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