夫食貸(読み)ふじきがし

精選版 日本国語大辞典 「夫食貸」の意味・読み・例文・類語

ふじき‐がし【夫食貸】

〘名〙 江戸時代、凶作飢饉の際に幕府諸藩飯米のない農民米穀または金銭を貸し付けたこと。一日当たりの貸付基準は米は男二合女一合、麦は男四合女二合、粟稗は米の二~三倍量、六〇歳以上一五歳以下の男は女に準じ、日数は作付迄の期間を考慮して無利子で貸与され、返済翌年または五箇年賦とした。〔地方凡例録(1794)〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の夫食貸の言及

【定免】より

…ついで29‐30年田畑分離破免,畑方の麦作・夏秋作2分破免を定めた。29年奥州伊達・信夫両郡農民が夫食貸(ぶじきがし)(夫食種貸)を要求し強訴したが,このころから夫食貸付が増加したのは農民の困窮によるので,幕府は34年破免率を3分以上に改め,夫食貸を行わないこととした。38年(元文3)これまで破免・検見引していた畑作は,畿内・中国筋の畑方綿作以外定免とされた。…

※「夫食貸」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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