太山寺(愛媛県)(読み)たいさんじ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「太山寺(愛媛県)」の意味・わかりやすい解説

太山寺(愛媛県)
たいさんじ

愛媛県松山市太山寺町にある真言(しんごん)宗智山(ちさん)派の寺。滝雲(りゅううん)山護持院と号する。本尊は十一面観音(かんのん)。四国八十八か所第52番札所。縁起によると、用明(ようめい)天皇の時代、豊後(ぶんご)国(大分県)の真野(まの)長者が高浜沖で海上風波の難にあい、観音の霊験を受け救われたことにより創建したと伝える。749年(天平勝宝1)行基(ぎょうき)が聖武(しょうむ)天皇の命で十一面観音と四天王像を刻んで納めて以来、後冷泉(ごれいぜい)、後三条(ごさんじょう)、堀川(ほりかわ)、鳥羽(とば)、崇徳(すとく)、近衛(このえ)の各天皇が十一面観音像を納めた。中世に一時衰退、江戸時代に松山藩主松平(久松)家の保護で堂舎を復興した。本堂(1305建立)は国宝、仁王門、十一面観音像七体は国重要文化財。開基真野長者の供養会が毎年4月第3日曜日に行われる。

[眞柴弘宗]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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