太刀打（読み）たちうち

精選版 日本国語大辞典

たち‐うち【太刀打】

〘名〙

① (━する) 太刀で打ち合い、たたかうこと。

※承久記（1240頃か）上「底の堀に太刀打の音しけり」

② (━する) 張り合って競争すること。互角の勝負をすること。多く、下に打消の表現を伴って用いる。→太刀打ができない。

※俳諧・毛吹草（1638）五「鑓梅に太刀討(タチウチ)をする花もなし〈昌意〉」

※人情本・明烏後正夢発端（1823）上「文さんの酒は、よっぽどつゑへから、それと太刀打(タチウチ)をしちゃァ、何うも協(かな)ひやせん」

③ 槍の部分の名。槍の口金から血溜りまでの間。太刀走り。〔武用弁略（安政再板）（1856）〕

④ 籠手(こて)の異称。

※義経記（室町中か）四「喜三太が弓手のたちうちを羽ぶくらせめてつと射通す」

出典　精選版 日本国語大辞典