天目山(山梨県)(読み)てんもくさん

日本大百科全書(ニッポニカ) 「天目山(山梨県)」の意味・わかりやすい解説

天目山(山梨県)
てんもくさん

山梨県甲州市(こうしゅうし)大和町(やまとちょう)地区にある地名。本来は入元僧業海本浄(ぎょうかいほんじょう)が中国の天目山で学んだのち、1348年(正平3・貞和4)地形の似た所としてこの地に建立した臨済(りんざい)宗棲雲寺(せいうんじ)(栖雲寺)の山号である。東天目と称し、古くはこの付近を木賊山(とくさやま)といった。1582年(天正10)武田勝頼(かつより)が滅亡した天目山の戦いはこの寺の南方にあたる田野(たの)で行われた。付近の日川(ひかわ)上流には武田氏の旧跡もあり、渓谷美とともにハイキングコースになっている。

吉村 稔]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例