朝日日本歴史人物事典 「大谷広次(初代)」の解説
大谷広次(初代)
生年:元禄9(1696)
江戸中期の歌舞伎役者。俳名十町,屋号丸屋。初代大谷広右衛門の子。江戸生まれ。元禄14(1701)年初舞台。享保4(1719)年には評判記で立役上上吉に位付けされる。その活躍ぶりから2代目市川団十郎,初代沢村宗十郎,初代坂東彦三郎らと共に立役の四天王と呼ばれ,人気があった。曾我狂言の鬼王や朝比奈,あるいは男伊達(侠客)などの役を得意とする大柄な芸風を見せる一方,せり出し(1727),衣裳の引き抜き(1731)を工夫するなど,演出面での功績も残した。
(池山晃)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報