大町(町)(読み)おおまち

日本大百科全書(ニッポニカ) 「大町(町)」の意味・わかりやすい解説

大町(町)
おおまち

佐賀県のほぼ中央部、杵島郡(きしまぐん)にある町。1936年(昭和11)町制施行。南部は沖積低地で、有明(ありあけ)海に注ぐ六角川が蛇行する。中・北部は第三紀層の丘陵地で、その南麓(なんろく)近くを東西に旧長崎街道、国道34号、JR佐世保(させぼ)線などが通じる。鎌倉時代の大町庄(しょう)の地。江戸後期、長崎街道を東上したシーボルトは、紀行文にこの地方の石炭採掘について記している。とくに昭和に入り、県下最大炭鉱にのし上がった杵島炭鉱の本拠地として、急激に発展した。しかし、炭界不況により1969年(昭和44)全面的に閉山。大町駅付近の鉱業所、選炭場など炭鉱跡地一帯には、九州住電精密、佐賀三洋工業などの誘致企業が進出し、景観を一変した。農業は、米、麦作を中心にハウス園芸、養鶏肉牛などの複合経営が行われている。土井家住宅は、江戸末期の町家とされ国指定重要文化財。佐賀藩横辺田(よこべた)代官所跡や、豊年三助踊など知られる。面積11.50平方キロメートル、1955年当時2万2402を数えた人口は激減して、6293(2020)。

[川崎 茂]

『『大町町史』(1987・大町町)』


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