大田南村(読み)おおだみなみむら

日本歴史地名大系 「大田南村」の解説

大田南村
おおだみなみむら

[現在地名]大田市大田町大田

大田北村の南に位置し、北部には大田北村の町場と連続する町場が形成されている。

〔中世〕

貞応二年(一二二三)三月日の石見国惣田数注文に「大たの郷」に続いて「同ミなミの郷 十七丁三反百八十卜」とある。建武三年(一三三六)一一月二六日、足利尊氏は京都本圀ほんこく(現京都市山科区)造営のため大田南方など二二ヵ所を寄進している(「足利尊氏寄進状」本圀寺文書)。明徳元年(一三九〇)に小笠原長弘が安濃あの河合かわい郷・吉永よしなが郷地頭職に補任され、その後同氏は石見東部地域へ勢力を拡大するが、小笠原家系図(小笠原家文書)によれば、小笠原長雄の時に毛利氏から大田南郷が給されている。天正一三年(一五八五)八月の小笠原長旌所領目録(島根県史)によると、大田南村は田数一三一町九反半五升であった。

〔近世〕

寛永二〇年(一六四三)加藤明友が安濃郡大田で一万石を与えられた際、陣屋建物の竣工まで当村の備前屋(幸田家)仮本陣にあてられた。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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