大浦(鹿児島県)(読み)おおうら

日本大百科全書(ニッポニカ) 「大浦(鹿児島県)」の意味・わかりやすい解説

大浦(鹿児島県)
おおうら

鹿児島県南西部、川辺郡(かわなべぐん)にあった旧町名(大浦町(ちょう))。現在は南さつま市の中央部を占める。旧大浦町は1961年(昭和36)町制施行。2005年(平成17)笠沙(かささ)町、坊津(ぼうのつ)町、加世田(かせだ)市、日置(ひおき)郡金峰(きんぽう)町と合併し南さつま市となった。旧町域は薩摩半島(さつまはんとう)南西部を占め、東シナ海に面し、西は野間半島(のまはんとう)、北東に吹上浜(ふきあげはま)が続く。江戸時代、加世田郷の一部であった。北部に広がる大浦干拓地は第二次世界大戦中、食糧増産の必要から着手されたもので、戦後農林省直営の事業として1965年に完成した。住民の半数以上が農業に従事する純農村。おもに米、茶、ポンカンを栽培するほか、ブタや肉牛などの畜産も盛んである。県無形民俗文化財に指定された疱瘡踊(ほうそうおどり)は毎年2月に行われる。

[平岡昭利]

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