大榑庄(読み)おおぐれのしよう

日本歴史地名大系 「大榑庄」の解説

大榑庄
おおぐれのしよう

現在の輪之内町および安八町南部と海津かいづ平田ひらた町北部に比定され、輪之内町に上大榑・下大榑の遺称地が残る。正治二年(一二〇〇)一一月九日の源頼家下文(皆川文書)に「美濃国大榑庄」とみえ、「元の如く」当庄地頭職長沼宗政に安堵されているが、前年の頼朝の死と「元の如く」という文言から宗政の地頭職への補任は頼朝の時代と考えられる。貞応三年(一二二四)頃に作成されたと思われる宣陽門院所領目録(島田文書)に上西門院統子内親王から覲子内親王に伝領された新御領として当庄の名がみえる。貞永元年(一二三二)には執権北条泰時が寛喜の飢饉に対する撫民のため「美濃国高城・西郡・大久礼以上千余町」の年貢をとどめ、平出左衛門尉・春近兵衛尉らを美濃へ遣わし、「株河駅」で往反浪人に施しを与えている(「吾妻鏡」同年一一月一三日条)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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