大東(岩手県)(読み)だいとう

日本大百科全書(ニッポニカ) 「大東(岩手県)」の意味・わかりやすい解説

大東(岩手県)
だいとう

岩手県南部、東磐井郡(ひがしいわいぐん)にあった旧町名(大東町(ちょう))。現在は一関(いちのせき)市の北東部を占める地域。1955年(昭和30)大原摺沢(すりさわ)の2町と興田(おきた)、猿沢(さるさわ)、渋民(しぶたみ)の3村が合併して成立。2005年(平成17)一関市に合併。JR大船渡(おおふなと)線、国道343号、456号が通じる。北上(きたかみ)高地の丘陵地帯で、南西部を砂鉄(さてつ)川が流れ、樹枝状の谷に沿って水田が開ける。古くから葉タバコ、養蚕が中心であった。近年は酪農、リンゴの栽培が盛んで、シイタケの生産は県内一を誇る。大原八幡神社(おおはらはちまんじんじゃ)の2月11日の「水かけ祭り」は厄落としの奇祭として知られる。仙台藩儒者芦東山(あしとうざん)(1697―1776)は渋民の生まれで、中国刑法の集大成『無刑録』を著した。芦東山先生記念館がある。

[川本忠平]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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