大島(長崎県の旧村名)(読み)おおしま

日本大百科全書(ニッポニカ) 「大島(長崎県の旧村名)」の意味・わかりやすい解説

大島(長崎県の旧村名)
おおしま

長崎県北松浦(きたまつうら)郡にあった旧村名(大島村(むら))。現在は平戸市(ひらどし)域。旧大島村は2005年(平成17)平戸市に合併。平戸島北方に浮かぶ大島からなる。『肥前国風土記(ひぜんのくにふどき)』には大家(おおや)島として記録され、中世には松浦(まつら)党に属した大島氏の居城跡が神浦(こうのうら)の背後にある。神浦が首邑(しゅゆう)で、1625年(寛永2)捕鯨基地として開かれ繁栄し、捕鯨衰退後はイワシ漁業で栄えたが、現在では零細な一本釣りを主とし地元漁業は不振で、生月(いきつき)島の遠洋漁業従事者としての出稼ぎが多い。玄武岩台地上に散在する農村畑作とともに、多くの溜池(ためいけ)利用による水田も多く、米は島外へ移出している。畑作は葉タバコを特産とし、牧牛も盛んである。盆に行われる須古踊(すこおどり)は国選択無形民俗文化財。

[石井泰義]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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