多功村(読み)たこうむら

日本歴史地名大系 「多功村」の解説

多功村
たこうむら

[現在地名]上三川町多功

川と姿すがた川に挟まれた宇都宮西台地の東縁部に位置し、東はやな村、南は薬師寺やくしじ(現南河内町)。多劫村とも記す。「延喜式」兵部省にみえる下野田部たへ駅を田郡の誤記とみなし当地に比定する説がある。天文九年(一五四〇)一二月二八日の宇都宮俊綱書状写(秋田藩家蔵文書)に「多功之地」とみえ、俊綱が簗右京亮に昨年来の多功在城を謝し、官途を与えることを約している。元亀三年(一五七二)一二月に下野に出陣した北条氏政は、二九日夜の多功原における佐竹氏・宇都宮氏との合戦で敗北している(年欠三月五日「謙信上杉輝虎書状」上杉家文書)。天正一三年(一五八五)一二月二七日、宇都宮国綱は北条氏による当地攻撃に対する簗三河守の防戦を謝している(「宇都宮国綱書状写」小田部庄右衛門氏所蔵文書)

近世初めより宇都宮藩領。元禄郷帳では旗本諏訪・北条・依田の三給、改革組合村では幕府領・下総関宿藩領と旗本諏訪・北条・石谷の五給とみえ、幕末に至る。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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