多ノ郷賀茂神社(読み)おおのごうかもじんじや

日本歴史地名大系 「多ノ郷賀茂神社」の解説

多ノ郷賀茂神社
おおのごうかもじんじや

[現在地名]須崎市多ノ郷 竹ノ鼻

蟠蛇森ばんだがもりに発する御手洗みたらい(大間川)下流左岸の森に鎮座祭神加茂別雷神。おおごう・須崎・押岡おしおか神田こうだ吾井郷あいのごう桑田山そうだやま六ヵ村の総鎮守で加茂かも大明神と称していたが、明治元年(一八六八)賀茂神社と改称、多ノ郷村と須崎村のうちはま町・はら町・しん町・鍛治かじ町が祭祀するようになった。旧郷社。

社伝では延喜年間(九〇一―九二三)津野氏の祖津野経高が京都の賀茂社を勧請したものという。「古文叢」には当社本地仏に刻された「土州高岡郡津野庄多野郷賀茂本地仏 寿永二年正月 日」の裏書を載せる。京都下鴨神社領津野つの庄の多ノ郷方面への拡大に伴い、寿永二年(一一八三)以前に荘鎮守として下鴨社を勧請したものと考えられる。しかし現在は上賀茂神社の祭神を祀っており、天正一六年(一五八八)の津野惣郷神社帳は「賀茂下上大明神」と記すなど、祭神については問題が残る。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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