士幌(読み)しほろ

改訂新版 世界大百科事典 「士幌」の意味・わかりやすい解説

士幌[町] (しほろ)

北海道南東部,十勝支庁河東(かとう)郡の町。人口6416(2010)。町域は十勝平野北部に位置し,十勝川の支流音更(おとふけ)川両岸に広がる砂礫層と火山灰から成る台地を中心に,東部には丘陵連なり,北西部には東ヌプカウシヌプリ(1252m)がそびえる。1898年美濃開墾合資会社移民団41戸が音更川左岸に入植し,その後設立された説教所を中心に集落が形成されたが,1925年帯広~士幌間の士幌線開通(現在は廃線)により市街地は士幌・中士幌両駅付近に移った。十勝平野北部の畑作地帯にあたり,ジャガイモ,豆類,テンサイを主作物とするが,65年度以降国営農地開発事業が行われ,酪農の伸展が著しい。士幌農協の大規模な,デンプン工場や定温倉庫,ポテトチップ製造,コバルト照射などの施設を集中した〈馬鈴薯コンビナート〉がある。東ヌプカウシヌプリ山麓に牛馬約1500頭を放牧し,雌阿寒岳を望む士幌高原がある。国道241号線が帯広に通じる。
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