坂内村(読み)さかないむら

日本歴史地名大系 「坂内村」の解説

坂内村
さかないむら

[現在地名]松阪市阪内さかない

坂内川の最上流にあり、南は白猪しらい(八一九・七メートル)を中心とした山間となり、北西細野ほその峠を経て津藩領柚原ゆのはら村に至る。中世は伊勢神宮領であった。寛正三年(一四六二)九月一一日付氏経書状(氏経神事記)の上包みに「進上御奉行所 内宮一禰宜氏経 杣山分事坂内殿へ」とあり、「内宮年中神役下行記」では「一、坂内杣山上分ハ四月初二貫、十月初三貫五百沙汰ヲ、近年三貫五百文沙汰、無謂」となっている。当地は山間であり、御厨も杣山としての機能であったと考えられる。坂内殿は中世後期に当地を拠点とした坂内御所をさし、「凡侍六百人、内馬上百騎、小人四百人合一千之大将也」(勢州軍記)といわれる北畠一族三大将の一であった。

坂内村
さかうちむら

面積:一五三・三一平方キロ

郡の北西部にあり、村域の九割を山林が占める。北から南にかけては藤橋ふじはし村・久瀬くぜ村・春日かすが村、南から北西にかけては滋賀県坂田さかた伊吹いぶき町・同県東浅井ひがしあざい郡浅井町・同県伊香いか木之本きのもと町・余呉よご町、福井県南条なんじよう今庄いまじよう町と接する。北部に蕎麦粒そむぎ山・三国岳、南部に金糞かなくそ岳・貝月かいづき山などの一二〇〇メートル級の山々があり、これらの水を集めて坂内川がほぼ東流し、揖斐川に注ぐ。同川沿いに国道三〇三号が通る。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報