国民民主連盟[ミャンマー](読み)こくみんみんしゅれんめい[ミャンマー](英語表記)National League for Democracy; NLD

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 の解説

国民民主連盟[ミャンマー]
こくみんみんしゅれんめい[ミャンマー]
National League for Democracy; NLD

ミャンマー政党略称 NLD。ミャンマー民主化運動の推進母体となっている。1988年9月にアウン・ジー元准将,アウン・サン・スー・チー,ティン・ウー元国防大臣らが結成。初代議長のアウン・ジーが党内の左派分子排除を要求し,内部対立の末に解任されると,ティン・ウーが後任となった。反軍事政権・民主化運動を展開したが,1989年7月ティン・ウー議長とアウン・サンスー・チー書記長は自宅に軟禁された。1990年5月の総選挙で 485議席中 392議席を獲得したが,軍事政権は政権の明け渡しを拒絶。その後,NLD議員の資格剥奪や指導者の逮捕など,軍事政権から抑圧を受け続けた。1995年7月にアウン・サン・スー・チーが 6年ぶりに解放されると,同 1995年10月アウン・サン・スー・チーが書記長に再就任,ティン・ウーが副議長となって新指導部が発足した。しかし,2000年9月にアウン・サン・スー・チーは 2度目の自宅軟禁に処され,国際連合特使の仲介によって 2002年5月に解放されたものの,2003年5月には地方遊説時の暴徒による襲撃事件をきっかけに 3度目の軟禁となり,2010年11月の総選挙実施後まで解放されなかった。この間,NLDは活動を封じ込められたが,2011年3月の民政移管を機に政党としての機能を回復し,翌 2012年4月の補欠選挙で上下両院 41議席を獲得して野党第一党となった。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報