固体酸触媒(読み)コタイサンショクバイ

化学辞典 第2版 「固体酸触媒」の解説

固体酸触媒
コタイサンショクバイ
solid acid catalyst

表面酸性点にもとづく触媒作用を示す固体触媒炭化水素異性化重合アルキル化クラッキングオレフィンの水和,およびその逆反応であるアルコールの脱水などに触媒作用を示す.工業的には,均一液相系と比べて,触媒と反応物質の分離が容易に行われる利点がある.酸性にもとづく触媒作用であるから,反応は,カルベニウムイオンあるいはオキソニウムイオンが中間体になり進行する.また,有機塩基あるいはアルカリを添加すると活性が失われる.シリカ-アルミナ触媒ゼオライト触媒などのほか,アルミナにフッ素塩素などのハロゲンを加えて酸性を強めた触媒もよく用いられる.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

世界大百科事典(旧版)内の固体酸触媒の言及

【触媒】より

…このような反応経路をとる場合,最も遅い反応素過程の速度によって全反応の速度が律せられる(律速段階)。 液相均一触媒反応における水素イオンと同様の役割を,固体であって酸性を示す物質の表面が果たすことがあり,固体酸触媒と呼ばれる。酸化ケイ素と酸化アルミニウムの混合ゲルにあたるシリカ‐アルミナや,両者が特徴ある結晶構造をとるため反応分子を固体内部にとり込むことのできるゼオライトは,その代表例である。…

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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」