固・塊(読み)かたまり

精選版 日本国語大辞典 「固・塊」の意味・読み・例文・類語

かたまり【固・塊】

〘名〙 (動詞「かたまる(固)」の連用形の名詞化)
① ひとまとまりの固形物。液状、粒状のものや形をなしていないものが、まとまった固形物になること。また、そうなったもの。また、全体から切り分けられた、形が不規則である程度の大きさをもつ素材。「肉のかたまり」
書紀(720)顕宗即位前(図書寮本訓)「取り結(ゆ)へる縄葛は、此の家の長の御寿(いのち)の堅(カタマリ)なり」
咄本・昨日は今日の物語(1614‐24頃)下「中に黒血のかたまりがあるは」
号外(1906)〈国木田独歩〉「大理石の塊(カタマリ)のまん中に半人半獣の二人が噛合(かみあ)って居る処を刻(ほ)って見たい」
② 一つ所により集まっているもの。一団
※古活字本毛詩抄(17C前)六「木を見れば一本、葉を見れば一かたまりづつあるよ」
俳諧続猿蓑(1698)春「しら魚の一かたまりや汐たるみ〈子珊〉」
③ (「…のかたまり」の形で) ある傾向や性質だけが極端に現われているもの。多く、好ましくない傾向や性質の場合にいう。
浄瑠璃津国女夫池(1721)一「傾城はぞんざいのかたまり」
※いさなとり(1891)〈幸田露伴〉一五「虚飾(うそ)凝塊(カタマリ)これ世界なれば」
宗教などを深く信じること。また、そういう人。
※歌舞伎・因幡小僧雨夜噺(1887)序幕「『ははあ、それぢゃあ御宗旨は法華でございますな』『仏が大のかたまりで』」
※くれの廿八日(1898)〈内田魯庵〉四「耶蘇の固信者(カタマリ)だって事でがすが」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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