喜茂別(読み)きもべつ

改訂新版 世界大百科事典 「喜茂別」の意味・わかりやすい解説

喜茂別[町] (きもべつ)

北海道南西部,後志(しりべし)支庁虻田郡の町。人口2490(2010)。尻別川上流に位置し,地名アイヌ語の〈キ・オ・ペッ(山奥・にある・川)〉に由来する。1871年(明治4)駅逓所が開設されてから集落ができたが,本格的な開拓は1902年の南部地方岩手・青森両県)からの団体移民によって始められた。羊蹄山の南東斜面にあたるため,融雪後の地温上昇が早く,土壌もあらくて透水性に富むことから,29年にアスパラガス栽培が始められ,まもなく缶詰工場もつくられて飛躍的な発展を遂げた。このほかジャガイモ,アズキなどの畑作物も生産されている。札幌,洞爺と国道230号線で結ばれる。
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