唐ノ瀬堰(読み)とうのせぜき

日本歴史地名大系 「唐ノ瀬堰」の解説

唐ノ瀬堰
とうのせぜき

近世、矢部やべ川に造られた堰。現八女市北田形きたたがたと立花町谷川たにがわの地にわたる。矢部川は江戸時代に久留米・柳川両藩領境、いわゆる御境おさかい川となったことに伴い双方とも自領により多くの水を落すため、それまでの堰を増強し、回水路を巡らした。当堰は延宝八年(一六八〇)柳川藩が造ったとされ、久留米藩設置の花宗はなむね下流に水を落すための唐ノ瀬回水路を伴う。もとは谷川村・原島はらじま村・山崎やまさき村内の一部に引込むものであったが、下流の柳川藩領側の広瀬ひろせ堰を用いる地域が増えたため、花宗堰の下に水を落し、より多くの水を広瀬堰へ回す必要から唐ノ瀬堰を芝堰より砂堰に造り替えたという(正徳四年「覚」矢賀部家文書)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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