精選版 日本国語大辞典 「咬𠺕吧」の意味・読み・例文・類語
ジャガタラ【咬𠺕吧】
[2] 〘名〙
※俳諧・物種集(1678)「橘の小嶋がさきを渡り者 せいらすしゃかたらさらす細布〈龍信〉」
② 「ジャガタラいも(━芋)」の略。
※小公子(1890‐92)〈若松賤子訳〉前編「馬鈴薯(ジャガタラ)や林檎の箱、其他種々雑多の商しろ物(もの)の散乱してゐた小店のことを」
③ 植物「ザボン(朱欒)」の異名。
※雑俳・柳多留‐一六(1781)「じゃがたらはおっかない名のみかん也」
④ 人をののしっていう語。野蛮人。
※たけくらべ(1895‐96)〈樋口一葉〉六「だから横町の野蕃漢(ジャガタラ)に馬鹿にされるのだ」
[語誌](1)ポルトガル入植後の一六世紀にイスラム勢力が建設した町、ジャヤカルタ(Jayakarta 勝利の都の意)が、ジャカトラ(Jacatra ヤカトラとも)に変化して世界に知られるようになった。ジャガタラはその変化した呼び名の一つで、日本には一六世紀末に入ってきた。ジャカルタ(Jacarta)はそのオランダ語名。一六一九年にオランダ東インド会社が新しい町を建設し、バタビア(Batavia)と改称したが、一九四二年に元の名前が復活した。
(2)本来はジャワ島にある町の名称であるが、島の中心であるところから、ジャワ島からオランダ船が運んで来たものにはジャガタラを冠するようになった(「ジャガタラ縞」「ジャガタラ水仙」など)。「咬𠺕吧」の漢字表記は、当地にあった交易港スンダ・カラパ(sundakelapa 椰子の生えている場所の意)の中国語表記によるもの。
(2)本来はジャワ島にある町の名称であるが、島の中心であるところから、ジャワ島からオランダ船が運んで来たものにはジャガタラを冠するようになった(「ジャガタラ縞」「ジャガタラ水仙」など)。「咬𠺕吧」の漢字表記は、当地にあった交易港スンダ・カラパ(sundakelapa 椰子の生えている場所の意)の中国語表記によるもの。
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