名物切・名物裂(読み)めいぶつぎれ

精選版 日本国語大辞典 「名物切・名物裂」の意味・読み・例文・類語

めいぶつ‐ぎれ【名物切・名物裂】

〘名〙
① 古くから名高い歌集、物語、書画などの一部を装丁したり、意匠に用いたりして、掛軸などの装飾品や衣類としてしたてたもの。古筆切(こひつぎ)れ。
随筆・譚海(1795)一一「本朝古筆の内に、名物切れと称するものは小野道風の書、本阿彌ぎれと云もの第一也」
② 古く、中国などから伝来した織物で、安土桃山時代から江戸初期に茶道で、名物の袋や表装などに用いられ、珍重されたもの。金襴(きんらん)緞子(どんす)間道(かんとう)などの種類があり、伝来の時期によって、極古渡り、古渡(こわた)り、中渡り、後渡り、近渡り、新渡りなどに分類される。
古今名物類聚(1789‐91)「名物切之部」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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