吉水村(読み)よしみずむら

日本歴史地名大系 「吉水村」の解説

吉水村
よしみずむら

[現在地名]田沼町吉水・吉水駅前よしみずえきまえ

秋山あきやま川右岸扇端部にあり、湧水に恵まれた水田地帯。北は田沼村、東は栃本とちもと村・新吉水村、西は小見おみ村、南は堀米ほりごめ(現佐野市)。中世は佐野庄に含まれた。弘安三年(一二八〇)四月三〇日の某後家尼譲状(小曾戸文書)に「よしミつ」とみえ、後家尼(佐野実綱の妻か)が同地の「あん次郎」所有の田一町を子に譲り渡している。湧水に恵まれることや、佐野氏の城館と考えられる興聖寺こうしようじ城があることから当地の開発は早かったと考えられる。元亀二年(一五七一)八月六日の大庵寺々領目録(大庵寺文書)には、岡藤次良分の吉水郷内「畠一段 一貫 作人本島八良右衛門」の地が佐野昌綱から大庵だいあん(現佐野市)領として安堵されている。天正一五年(一五八七)六月一一日には、吉水の内二〇貫二五〇文が本光ほんこう寺領となっている(「佐野氏忠定書」本光寺文書)

吉水村
よしみずむら

[現在地名]栃尾市吉水・巻淵まきぶち二丁目・はら町三丁目

金町かねまち村・金沢かなざわ村・原村・巻淵村・二ッ郷屋ふたつごうや村・上樫出かみかしいで村・下樫出村山口やまぐち村の境界付近に広がる樫出原かしいではら開墾してできた新田村。東は上樫出村、西は巻淵村、南は原村、北は下樫出村。開発当初は樫出原新田とかはつ村原そんはら新田などとよんでいたが、縁起をかついで吉水新田と改名したという。明治一五年(一八八二)村会で「吉水村記録保管規則」が議決され、開拓の歴史をたどる多くの史料が保管された。延享三年(一七四六)長岡町の山城屋定右衛門が割野わりの(現新潟市)の佐藤源次郎を金主に、栃堀とちぼり村庄屋阿部彦左衛門を証人とし樫出原の開墾を出願。山城屋定右衛門は魚沼郡大白川おおしらかわ新田(現北魚沼郡入広瀬村)の生れで、測量術に長じていたという。当地の口碑によると、長岡藩に仕えていたという住安定右衛門と同一人と考えられている。

吉水村
よしみずむら

[現在地名]堀之内町吉水

魚野うおの川の支流田河たがわ川を挟んで田川たがわ村の対岸にあたる。下流は堀之内村。南は山地で、五箇ごか(現南魚沼郡大和町)境の栃原とちはら峠北西麓に増沢ますざわ船山ぶなやまの集落があり、上流のはら村に向かって和田わだの集落がある。正保国絵図に村名がみえ、高七四石余。増沢は「鱒沢村」とみえ、和田は高七一石余とみえて一村扱い。天和三年(一六八三)検地帳(堀之内町史)では田七町四反余・畑四町二反余。畑には河原畑・石畑・切替畑がある。青苧畑三反余以外に楮畑・漆畑がある。ほかに舟山新田があり、田一町五反余・畑二町三反余。

吉水村
よしみずむら

[現在地名]紫波町吉水

東根あずまね山麓南東部の平坦地に位置。北は小屋敷こやしき村、東は宮手みやで村・下松本しもまつもと村、西は上松本村、南は鱒沢ますざわ村。慶長五年(一六〇〇)盛岡藩の重臣楢山帯刀佐義美(通称五左衛門)は当村全域を給与され(宝翰類聚)、幕末まで同家の知行地となった。正保国絵図では高一〇一石余。元禄十郡郷帳による〆高は、田方二三五石余・畑方三石余。「邦内郷村志」には楢山帯刀領二三九石余とあり、家数一七。

吉水村
よしみずむら

[現在地名]出雲崎町吉水

桂沢かつらざわ村・相田あいだ村とは地境が不分明。小木おぎ城跡の北山麓に東の蓮花寺れんげじ(現三島町)への道が通じる上吉水があり、西方小木村に接して下吉水がある。上吉水の草生水は、妙法寺みようほうじ(現刈羽郡西山町)などとともに古代に燃土燃水を献上したという説が近世の地誌類にみられる。正保国絵図に高二四〇石余で幕府領。以降の支配の変遷は滝谷たきや村と同じ。天和三年郷帳には高二九三石余(うち山高八斗・草油水高九六石)。この草油水高九六石は、当地の山田家が明治二一年(一八八八)に記した草生水油沿革略記(出雲崎編年史)によると、慶長(一五九六―一六一五)初年に付せられたという。

吉水村
よしみずむら

[現在地名]木造町永田ながた

田圃を隔てて東に永岡ながおか村、南に永田村があり、北ははやし村、西は大畑おおはた村に続く。

延宝四年(一六七六)の開村という(西津軽郡史)。村名改称并新村創立調(八木橋文庫蔵)によれば、享保一一年(一七二六)それまでの小林こばやし村が吉水村と改名された。翌年広須組に属し、広須通二三ヵ村の一つで村位は下とある(平山日記)。元文元年(一七三六)の検地帳によれば、田畑屋敷合せて四町六反八畝一歩、村高二二・六一六石とある。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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