日本大百科全書(ニッポニカ) 「合(体積の単位)」の意味・わかりやすい解説
合(体積の単位)
ごう
中国および日本の体積の単位。1升の10分の1。日本の場合は約180.39ミリリットル。漢代に定められた尺の標準器黄鐘(こうしょう)管の体積龠(やく)を二つあわせた量とされた。これが合の名の由来である。当時の大きさはいまの約10分の1であったが、唐代に至って約5倍となり、これが大宝律令(たいほうりつりょう)(702)に採用されて以後も漸次増大して江戸時代初期に現在の大きさになった。中国での変化も大きく、地域により一定しない。
合はまた1升の10分の1であるところから、他の量の単位の10分の1にも用いられる。土地面積の単位である歩あるいは坪の10分の1も合とよばれる。また山の高さにも用いられ、富士山の登山路を十分して、下から二合目、五合目、八合目などとよぶ。初めは富士山だけであったが、他の高山にも用いられるようになった。同じようなことが洪水の水位にも用いられた。出水の高さを計る水位計に合を刻んで、何合目まできた、などといった。
[小泉袈裟勝]
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