古代都市エル-タヒン(読み)こだいとしエルタヒン

世界遺産詳解 「古代都市エル-タヒン」の解説

こだいとしエルタヒン【古代都市エル-タヒン】

1992年に登録されたメキシコの世界遺産(文化遺産)で、メキシコ・シティ北東、メキシコ湾近辺に位置する。エル・タヒンは、先住民の言葉で「稲妻」や「ハリケーン」を意味する。雨季にこの地を襲うハリケーンや稲妻の猛威にさらされる人々は、それらを神として祀るいくつもの神殿を建てた。この一帯に住んでいたトトナカ族あるいはワステカ族が建設したとされている。繁栄したのは9~13世紀、テオティワカンが滅亡してからアステカ帝国が最盛期を迎えるまでの時期とされている。遺跡はまだ、全体の1割にあたる宗教儀礼地区だけしか発掘されていない。雨と風の神々を祀る6段の「壁龕(へきがん)のピラミッド」、生け贄を決めるための球戯が行われた球戯場、丘の上に建つ「円柱の館」が代表的建造物である。◇英名El Tajin, Pre-Hispanic City

出典 講談社世界遺産詳解について 情報

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