取返(読み)とりかえす

精選版 日本国語大辞典 「取返」の意味・読み・例文・類語

とり‐かえ・す ‥かへす【取返】

〘他サ五(四)〙
① 一度他人の手に渡ったものを再び自分のものとする。取りもどす。
伊勢物語(10C前)六「いみじう泣く人あるを聞きつけて、留めてとりかへし給うてけり」
② 再び以前のようにする。元へもどす。
源氏(1001‐14頃)空蝉「ありしながらの我が身ならばと、とり返すものならねど、忍びがたければ」
③ (「とり」は接頭語) 反対にする。あべこべにする。
※新撰万葉(893‐913)下「大空を取返須とも聞かなくに星かと見ゆる秋の菊かな」

とり‐かえし ‥かへし【取返】

[1] 〘名〙 取り返すこと。もとにもどすこと。回復。とりもどし。
※今鏡(1170)五「とりかへしに遣したりけるを、戻(かへ)し奉らじとしけれども」
[2] 〘副〙 前のように。ふたたび。改めて。
※宇津保(970‐999頃)蔵開下「またとりかへし思ひしやうは」

とって‐かえし ‥かへし【取返】

〘名〙 とって返すこと。もとのようにすること。ひき返すこと。
人情本・英対暖語(1838)初「病気がつのりでもした節には、とって帰しが出来ねへ」

とっ‐て‐かえ・す ‥かへす【取返】

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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