取散(読み)とりちらす

精選版 日本国語大辞典 「取散」の意味・読み・例文・類語

とり‐ちら・す【取散】

〘他サ五(四)〙
① (「とり」は接頭語) ばらばらに置く。あちこちに物を散らかす。乱雑にする。とりちらかす。
※宇津保(970‐999頃)国譲中「反故など、とりちらし給」
② 取って分ける。分配する。
源氏(1001‐14頃)宿木「いかがとも思わづらはで、人々にとりちらしなどしたれば」

とり‐ちらか・る【取散】

〘自ラ五(四)〙 (「とり」は接頭語) あちこち乱雑に置かれる。あたりにばらばらに広がる。
※歌舞伎・浮世柄比翼稲妻(鞘当)(1823)大切「二階は取(ト)り散(チ)らかって、足も踏み込まれねえ」

とり‐ちらか・す【取散】

〘他サ五(四)〙 =とりちらす(取散)
※広本拾玉集(1346)四「世の中ををさむる人のなきままにとりちらかすをみるぞかなしき」

とっ‐ちらか・す【取散】

〘他サ四〙 「とりちらかす(取散)」の変化した語。
人情本・明烏後正夢発端(1823)下「こんなにいろいろとっちらかして、どうしたもんだ」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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