収納ユニット(読み)しゅうのうゆにっと

日本大百科全書(ニッポニカ) 「収納ユニット」の意味・わかりやすい解説

収納ユニット
しゅうのうゆにっと

従来ユニット家具といわれていたのは、ある一定の大きさの箱をいろいろに組み合わせる形式のものであった。その考え方を応用して、建物に組み込むことをねらいとしてつくられたのが収納ユニットである。収納ユニットは室空間との間に寸法の調整ができているので、使用目的にあわせて組み替えが自由で、しかも天井高まで壁面全体を使うことができるので、従来の置戸棚に比べて収容量が増すのみならず、見かけもすっきりして美しいという利点がある。そのため住宅産業の発展に伴って需要が増加し、部屋をくぎる間仕切り兼用の収納ユニットも開発されるようになった。これは両面から使用することができるので、いっそう便利である。

 収納ユニットが発達するにつれて、住宅の造り方にも影響を及ぼすようになった。それは住まいの全体をあらかじめ一つの大きな空間につくっておき、あとから収納間仕切りユニットでいくつかの部屋にくぎっていくというやり方である。最近ではさらにそれが発展して内装システムが生まれた。それは、建物の躯体(くたい)部分は現場でつくり、内装は別に工場でつくって現場に運んで組み込むというものである。内装システムの主要部分を占めるものは収納間仕切りユニットであるが、こういう方法で住宅をつくると、住まい方の変化に応じて間取りをかえられるから、住みやすくて模様替えにも金がかからないという利点がある。

[小原二郎]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例