反閉・反閇・返閉・反陪(読み)へんばい

精選版 日本国語大辞典 「反閉・反閇・返閉・反陪」の意味・読み・例文・類語

へん‐ばい【反閉・反閇・返閉・反陪】

〘名〙
① 陰陽家の秘法の一つ。天子の出御の時などに邪気を閉じこめて安泰を祈願すること。特に日本で、天皇などの貴人が、神拝、外出などするとき、邪気をはらい除くために陰陽師が足で地を踏みしめ呪文を唱えて千鳥足に歩み、貴人もその後について同じように歩むもの。禹歩。へんへい。
※小右記‐寛弘二年(1005)三月八日「今日中宮参給大原野社〈略〉清明奉反閇
平家(13C前)三「陰陽師などいふは、反陪とて足をもあだにふまず」
② (①から) 日本芸能にある特殊な足の踏み方。能の「翁」「三番叟」の足の踏み方。また、「道成寺」の乱拍子も一種の反閇。
※浄瑠璃・義経千本桜(1747)四「乙女下って舞かなづ是、反閉(ヘンパイ)の始め也」
神事の一つ。禰宜(ねぎ)が舞うこと。〔一茶方言雑集(1819‐27頃)〕

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