双花瓶(読み)そうかびん

日本大百科全書(ニッポニカ) 「双花瓶」の意味・わかりやすい解説

双花瓶
そうかびん

花器一種草花瓶、雙花瓶とも書く。皿形をした口の広く浅い花器。主として座敷飾り違い棚の下に置き、草の花をいけるのに用いられた。また砂の物の原型ともみられている。いけ花の古書仙伝抄(せんでんしょう)』に「草花瓶に草花を立るには沢の草の生いでたるを見るごとくたつべきなり」とあり、また「庭に木をうゆる心に先(ま)ず心(しん)を可立(たてるべく)候」と水辺の草の趣(おもむき)や、木をたてるには作庭の心得の要ることを示している。

[北條明直]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

排外主義

外国人や外国の思想・文物・生活様式などを嫌ってしりぞけようとする考え方や立場。[類語]排他的・閉鎖的・人種主義・レイシズム・自己中・排斥・不寛容・村八分・擯斥ひんせき・疎外・爪弾き・指弾・排撃・仲間外...

排外主義の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android