参考消息(読み)さんこうしょうそく

日本大百科全書(ニッポニカ) 「参考消息」の意味・わかりやすい解説

参考消息
さんこうしょうそく / ツァンカオシァオシ

中国の新華社が発行する日刊紙で、世界各地の政治、経済、社会、文化など各方面のニュースと論評ダイジェストを掲載する。英文表記Reference News。タブロイド判

 1931年11月、江西(こうせい/チヤンシー)省瑞金(ずいきん/ロイチン)で創刊された『無線電材料』『毎日電訊(でんしん)』が前身。数回の改題を経て、1942年12月、現在の題号となる。1949年3月新華社本社とともに北京(ペキン)に移転。1957年1月主席の毛沢東(もうたくとう/マオツォートン)は、各地の幹部を前に、「共産党が、帝国主義的新聞にかわって、我々をののしるような反動的言論も載せる。(中略)『参考消息』などの発行により、反面材料を提供することは、天然痘ワクチンの接種と同じで、幹部や大衆の政治的免疫力を強めることになる」と述べ、同紙部数を2000部から40万部に拡大するよう指示した。

 かつては「内部刊行物につき取扱い注意」の断り書きがあり、読者が制限されたが、『人民日報』など一般の新聞にはあまり掲載されない海外情報などが得られたため、人気がきわめて高かった。1979年の中越戦争時は、950万部の最高発行部数を記録した。情報源が多様化した現在、部数は漸減しているが、それでも2009年時点で312万部と日刊紙としては最多である。

[木原正博]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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