原油取引(読み)げんゆとりひき

百科事典マイペディア 「原油取引」の意味・わかりやすい解説

原油取引【げんゆとりひき】

原油の国際的売買のこと。1回ごとの契約で売買を行うスポット取引と,一定の期間を決めて売買する長期取引がある。スポット取引は産油国の情勢や原油の国際的な需給バランスに直接影響されるため,価格が不安定になりやすい。また取引の形態によって,メジャーなどの国際石油会社を介して行う取引,産油国と消費国が直接売買契約を結ぶ直接取引,ニューヨークおよびロンドンで行われている先物取引の3種類がある。直接取引のうち,産油国の国営石油会社による直接販売をD-D(direct deal)取引といい,現在はこの形態の取引が世界の趨勢となっている。 日本でも1972年のリヤド協定に基づいて1973年からD-D取引を開始し,以降D-D取引による原油輸入量が増加,メジャー経由の原油輸入量は減少を続けている。

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