印西(市)(読み)いんざい

日本大百科全書(ニッポニカ) 「印西(市)」の意味・わかりやすい解説

印西(市)
いんざい

千葉県北部、利根(とね)川南岸に位置し、印旛(いんば)沼の低地と下総(しもうさ)台地に広がる市。1954年(昭和29)木下(きおろし)町、大森町、船穂(ふなほ)村と永治(えいじ)村の大部分が合併して印西町が成立。1996年(平成8)に市制施行。2010年(平成22)、印旛村、本埜村(もとのむら)を編入。地名は印旛沼の西にあることに由来。JR成田(なりた)線と国道356号、464号が通じる。南部の大規模な千葉ニュータウンを経て印旛日本医大駅まで北総鉄道(ほくそうてつどう)が通じ、同駅で京成成田空港線に連絡する。中心市街地の木下は江戸時代、利根水運の重要な河港で、船頭宿、酒屋、芸者置屋などが軒を並べていた。近世より進められてきた印旛沼の干拓事業は、1969年水資源開発公団(現、水資源機構)によって完了。現在、沼は印旛捷水(しょうすい)路で結ばれる2沼に分かれている。農村地帯で米作を中心に野菜、イチゴなどの生産が行われている。国指定重要文化財に茅葺(かやぶ)きの宝珠院観音堂(ほうじゅいんかんのんどう)や結縁寺(けちえんじ)銅造不動明王立像、栄福寺(えいふくじ)薬師堂などがある。鳥見(とりみ)神社神楽(かぐら)、鳥見(とみ)神社の獅子舞(ししまい)、浦部神楽(かぐら)などが県無形民俗文化財に指定されている。面積123.79平方キロメートル、人口10万2609(2020)。

[山村順次]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

排外主義

外国人や外国の思想・文物・生活様式などを嫌ってしりぞけようとする考え方や立場。[類語]排他的・閉鎖的・人種主義・レイシズム・自己中・排斥・不寛容・村八分・擯斥ひんせき・疎外・爪弾き・指弾・排撃・仲間外...

排外主義の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android