印南浦（読み）いなみうら

日本歴史地名大系

印南浦
いなみうら

• 和歌山県：日高郡
• 印南町
• 印南浦

[現在地名]印南町印南

印南川の河口部に広がる漁村。西は津井（つい）村。「続風土記」は「印南の名義は海部（うなへ）の転語ならん」と記し、播磨国の印南郡の名義も同じとする。また中（なか）村・宇杉（うすぎ）・光川（ひかるがわ）の三小村からなり、「今猶三村を合せて印南浦といふ」と記す。「中右記」天仁二年（一一〇九）一〇月二〇日条に「伊南里」とみえる。

慶長検地高目録には「印南村」とみえ、高七四四石余。延宝六年（一六七八）の「日高鑑」は「印南浦」と記し、田畑六五町一反余、家数四七二、うち地方分一二〇（本役二七、半役四三、無役三七、桶屋四、庄屋・年寄各三など）・浦方三五二（本役七八、半役一四五、無役一一四、かじ三、木引一、庄屋・年寄各三など）、人数一千九一七（うち地方五六〇・浦方一千三五七）、牛四一、馬二〇、舟数一〇三（廻船一二・漁舟四二・いさば二四・網取小舟二五）、網数四三（四艘張七・小あぐり一・江戸網三五）、狼烟場は畑（はた）ノ崎（ざき）に一ヵ所、鉄砲二。

出典　平凡社「日本歴史地名大系」