南品川新開場(読み)みなみしながわしんかいば

日本歴史地名大系 「南品川新開場」の解説

南品川新開場
みなみしながわしんかいば

[現在地名]品川区東品川ひがししながわ一丁目

南品川猟師みなみしながわりようし町の地先を安永三年(一七七四)に埋立の許可を得て、天保五年(一八三四)四月の検地で誕生した寄洲を開墾した地である。利田かがた新地・南品川利田新地ともいう。これは開墾に着手した南品川宿名主の利田吉左衛門の姓をとって名付けられたものである。「風土記稿」に南品川新開場の項があり、人家が立並び、年毎に永楽銭七〇文を納めているものの、いまだ高請には至っていないと記される。旧高旧領取調帳に南品川宿内の注記付きで利田新地が載り、高六石三斗。

ことの発端は明和九年(一七七二)南品川猟師町年寄の惣左衛門と百姓治兵衛が同町地先に五千坪ほどの寄洲ができているのに目を着けて、これを新地にすることを奉行所に願出たことである。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報